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本書は、その流れに抗する転戦の記録ともいえる。ふーん、この辺は僕とはまったく違うね。僕には「原理の不動、論理の一貫」なんてものははなから存在しない。言説は主観的だし、論理性も実証性も無縁である。真摯なモティーフもない。ずはり「床屋政談」の類である。でもそれで何が悪いの? 上の文章は宮崎哲弥『身捨つるほどの祖国はありや』(文藝春秋)の「あとがき」からとった。 この本はけっこう面白いよ。 この人は自称・共同体主義者(コミュニタリアン)で僕とは立場が180度違うが、アクテュアルで雑多な社会問題に対し、僕にも理解できる言葉(藤岡信勝や西尾幹二などは僕にはとうてい了解不能である)で理路を展開していて、勉強になる。 この本のタイトルはもちろん寺山修司の次の歌からとっている。 マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや |
エイズの検査 若い女性急増朝日新聞夕刊に上記のような記事が載っていた。「神様、もう少しだけ」(フジテレビ)というこのドラマを、僕はちらっとしか見たことがないので、面白いかどうか知らないし、見るに値するかどうかも知らない。 都に新たに報告される患者・感染者数は昨年が215人で年々増えているが、検査を受ける人はキャンペーンなどでエイズが広く知られた1992年をピークに減少傾向。昨年、受けた人は、92年の3分の1以下の約1万2千人にとどまっていた。僕はかつて(結婚する少し前だったから、92年だったと思う)新宿保健所でHIV検査を受けたことがある(本当は四谷保健所の方が近いのだが、近所の人に会うとイヤなので、わざわざ少し離れたところを選んだ)。結果は陰性だった。結果を聞くまで正直言ってかなりドキドキした。去年の春、交通事故で入院したときもHIV検査を受けた。これは領収書にHIV検査3.000円という費目があって初めてわかったのであり、検査の結果は聞いていない。HIV検査は事前に本人の承諾を得てから実施する必要があるという新聞記事を読んだような気もするが、まあ、いい。僕は結婚してから妻以外の女性とSEXしてないので、多分、今でも陰性だと思う(不倫はいけないとか、そういう道徳的な考えはもっていないのだが、単に機会がなかったのと、最近、性欲自体あまりないからだ)。 皆さんはHIV検査を受けたことありますか? |
もし北朝鮮が崩壊したら20万人の難民が日本に押し寄せるという・・・「民族の誇り」を取り戻せ! と鼓舞する人たちはどこの国にもいる。彼らは陳腐な脅しで人びとを扇動し、彼らに従わないものを「非国民」と呼ぶ。 戦争に行きますか? それとも日本人やめますか? (#)彼らの多くは胸中に癒しがたいルサンティマンを抱えている。自己の不遇を、自己より大きなもの=国家の不遇に重ね合わせ、国家の誇りを取り戻すことで自己の傷ついたプライドを恢復しようと目論んでいる。自己に充分な矜恃があるなら、そもそも民族愛だとか国家愛だとかを特別に意識する必要などない。それらはむしろ穏やかな郷土愛とでも呼ぶべき情感として意識にのぼることすらないだろう。 西洋人のカップルは私的空間だけでは飽きたらず、公共空間に出てまで、キスやハグで互いの愛情を確認しつづけなければ不安に陥るらしい。昔の日本人は人前でいちゃつくことはもちろん、プライヴェートな空間でさえ I love you などと囁き合う習慣はなかった。日本人の性愛が西洋人のロマンティック・ラヴより素晴らしいなどというつもりは全然ないし、むしろ個人的には少年の頃よりロマンティック・ラヴに憧れていた。それでも彼らは少し脅迫的すぎるのではないかと思ってしまう。結婚して何年たってもダブル・ベッドで寝なくてはならないなんて、なんて窮屈なスリーピング・タイムだ。そのくせ離婚率が高いのは、彼らの恋愛や家族愛が実は案外儚いものであることを証している。 日本人の感覚からすれば、愛情は恋人に対するものであれ、家族に対するものであれ、公共空間で大声で他人に対し語り聞かせる性質のものではない。なぜ国家に対する愛情や民族に対する愛情(そして企業に対する愛情)だけが恥ずかしげもなく大声で語りつづけられるのか? 【ロンドン16日=荒井利明】英国・北アイルランドのオマーの商店街で、十五日午後(日本時間同日夜)、自動車爆弾が爆発し、二十八人が死亡し、約二百二十人が負傷した。四月に実現した北アイルランド紛争の和平合意に反対する、カトリック過激派 「アイルランド共和軍(IRA)」分派によるテロと見られているが、三十年に及ぶ紛争の歴史で、単一の事件としては、最悪のテロとなった。(読売新聞)# 小林よしのり『新ゴーマニズム宣言 SPECIAL 戦争論』(幻冬舎) |
「民族の誇り」を取り戻せ! と鼓舞する人たちはどこの国にもいる。彼らは陳腐な脅しで人びとを扇動し、彼らに従わないものを「非国民」と呼ぶ。 彼らは互いに通牒し合って、互いへの憎悪を煽り立てる。彼らの狙いは戦争が勃発し、血湧き肉踊る肉弾戦を闘うことだ。そうすれば身内に抱える惨めなルサンティマンが吹っ飛ぶからだ。彼らは生来、破壊や殺戮が好きなのだ。 万国の民族主義者よ、団結せよ、そしてアイルランドとイスラエルの教訓から学べ? |
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