to Homepage  to Previous Page  to Latest Text


Also Sprach Mkimpo Kid



1997年07月01日(火)

 インターネット画面で「酒」「鬼」「薔薇」の文字群を見たという、いわゆる岡山電波オヤジ spark こと富永拓美のホームページを見つけて、覗いてみた。彼の顔写真やパソコン教室の建物の写真なんかも載っていて、なかなか楽しめる。しかし「現在私は前記の会社が倒産したため、債務者となっています。債権者の目につかないところでひっそりと生活していた身です」などと書きながら、自分のお笑い顔写真や住所・電話番号まで載せているというのは、どういう神経?


1997年07月02日(水)

 新潮社の「フォーカス」に酒鬼薔薇くんの顔写真が掲載されたことが問題になっている。報道によると、自主的に販売中止を申し合わせた販売店が多いらしく、午前中に何件か近所の書店を覗いてみたが、どこも店頭に売り切れの表示がしてあった。本当に売り切れになったんだか、あるいは客とのトラブルを避けるために便宜的にそういった貼り紙をしたんだかわからないが、帰宅してインターネットで探ってみたら、案の定、WWWに写真を載せているバカな奴がいたので、写真はなんとか見ることができた。
 Internet FOCUS はさすがになかなか繋がらない。それに覗いてみても面白いものも何もない。
 とりあえず「フォーカス編集部へのメール」コーナーに意見をどしどし書き込もう。
 目隠し顔写真が掲載されるという明日発売の「週刊新潮」はどうなることやら?


1997年07月03日(木)

 朝、「週刊新潮」と「週刊文春」と2冊買ってきて酒鬼薔薇くん関連記事を読んだ。新潮社はあれだけ叩かれてるのに相変わらずめげない奴だね。僕の「下品」な欲望は酒鬼薔薇くんについてもっといろいろ知りたいと思うが、はたしてそれは許されることなのか、判断がつきかねている。ネットワークで流れている情報は逮捕当日の須磨警察署前のくそガキどもに負けず劣らずあまりに低劣だし、僕もその一員なのかと思うとうんざりする。
 それでは良識派といわれる朝日新聞はどうか、と言うと、被害者の名前(ときには写真)を紙面に載せて、そのことについての疑念も反省もまったくみられず、一方的に識者の発言を引用して、新潮社を断罪するだけ。
 梶山静六はこの機に乗じて「少年法改正」を言い出すが、腹の底では何を企んでるいるのやら。
 文藝春秋の「諸君!」には大塚英志が『「酒鬼薔薇聖斗」を「英雄」にするな  一見、宮崎勤やオウムに似て見える。しかし「酒鬼薔薇」の「悪意」には嫌悪しか感じない』を載せているらしいが、これはまだ読んでいない。今回は大塚君とは少し意見が違うみたいだ。
       


 斉藤貴男の「カルト資本主義」(文藝春秋)を読んでいる。内容は以下のとおり。

    第一章 ソニーと「超能力」
    第二章 「永久機関」に群がる人々
    第三章 京セラ「稲盛和夫」という呪術師
    第四章 科学技術庁のオカルト研究
    第五章 「万能」微生物EM世界救世教
    第六章 オカルトビジネスのドン「船井幸雄」
    第七章 ヤマギシ会---日本企業のユートピア
    終章  カルト資本主義の時代

 まだ第二章までしか読んでいないが、早くこんな本を読みたかったね。


1997年07月04日(金)

 大塚英志の『「酒鬼薔薇聖斗」を「英雄」にするな』を読んだ。思想的立場は今のところ基本的には同じみたいなのだが、酒鬼薔薇くんに対する思い入れはまるで180度違うみたいだ。もちろん酒鬼薔薇くんは酷薄で残忍きわまりない人間なのだが、あの犯行声明文を読むと、僕にはどうしても憎めないところがある。大塚英志は『永田洋子や宮崎勤やオウムの人々や、あるいは永山則夫にさえ感じるある種の感情、同時代意識のようなものを「酒鬼薔薇聖斗」のふるまいからもことばからも感じないのだ。』と書いている。僕にはその違いがどうにもよくわからない。
            


 紀伊國屋書店で本を3冊買った。昔からのことだが、新しい本をどんどん買うので、読む方が間に合わず、読まなくてはいけない本がとめどもなく増殖してくる。筒井康隆の「脱走と追跡のサンバ」にも確かそんなシーンが出てきたね。

# 新しい歴史教科書をつくる会・編「新しい日本の歴史が始まる」(幻冬社)
 岸田秀が賛同者名簿に含まれていたのにはこの眼を疑ったね。

# ユリイカ 6月臨時増刊「総特集 村上龍 Bad Boyの新たなる出発」(青土社)
 村上龍には最近はついていけない感じを持っていたんだが、対話の相手に惹かれてつい買ってしまったね。

# 筒井康隆「筒井康隆かく語りき」(文芸社)
 僕のホームページと同じタイトルだ。
  


1997年07月05日(土)

 酒鬼薔薇くんを弁護している神戸弁護士会に対し、脅迫まがいの電話とかをする輩がいるらしいね。いつもながら最低の奴らだ。
 それにしても「天才!薔薇モン」はひどいね。新潮社の罪は重い。しかしさすがにInternet FOCUSの 『「14歳酒鬼薔薇聖斗」の学校と殺人動機』には例の写真は載っていない。因みに「遊び仲間に殺された淳君」など5枚の写真が載っている。WWW上で発表できないものが、どうして誰にも手に入りやすい雑誌上なら発表できるんだ? 「フォーカス編集部へのメール」にどしどし意見を送ろう。


1997年07月06日(日)

 小田晋がテレビ朝日の「サンデープロジェクト」に出演して、相変わらず舌なめずりしながら偉そうなことを喋っていた。
 「快楽殺人をやりたいのはお前の方じゃないのか!」
 出演者の誰一人としてそんなこと言わなかったが、みんなそう思っているんじゃないの?
              


 今朝の朝日新聞に「自動車任意保険料の格差 年齢3倍・地域1.5倍まで 大蔵が指針」という記事が載っていた。いわゆる日本版ビッグ・バンの流れのなかの動きだが、本当にこれは歓迎すべきことなんだろうか?
 あるところで手に入れた別の新聞の切り抜きによれば、事実かどうか知らないが「米国には、全体の一七%に当たる二千四百七十万台の無保険車が走っている。その比率はカリフォルニア州では二八%に、さらにロサンゼルス市の中心部のある地域では、なんと九〇%台に跳ね上がる。」ということである。
 交通事故で入院した経験からいっても、そんなことになったら大変だ。日本の場合、そんな極端なことにはならないだろうが、何でもかでも規制緩和=デレギュレイションという現在のトレンドはどこかおかしいのじゃないだろうか。
 この前の政治改革論議のときだって、僕は小選挙区比例代表並立制には当初より疑問を抱いていたが、政治改革=選挙制度改革、というマスコミの単純化された論調のなかで、選挙制度改革が断行され、今ではその当のマスコミ自身が、やはりあれは改悪だった、と言っている。しかも田原総一郎をはじめ、その当時、政治改革論議を主導した者たちが、そのことの総括をした、という話はまったく聞かない。
 マスコミが一斉に同じ方向を向き始めたときは危険である。これは僕の経験からいっても、また歴史的事実としても、そうである。第2次世界大戦のときからマスコミの翼賛体質(これは日本人の金太郎飴体質の変奏である)は変わっていないのだ。
 大蔵省はどう考えているのか。
           


 今日の都議会選挙は過去最低の投票率(40.80%)だったらしいね。
 選挙に行かなかった人も「都政に対するご意見・ご提言」コーナーで変節の人・青島君に yell を送ろう。
 ニコニコ閻魔・小沢君に「励まし」のメールを書こうかと思ったら、開かれた党・新進党のホームページにはメール・アドレスが書いてない。代わりに子犬のゆりこちゃん掲示板に書き込みをしといた。


1997年07月07日(月)

 今日は昨日見つけた『「キツネ目の男」宮崎学』ホームページを覗いて遊んだ。ここはかなり読み応えがある。
 


1997年07月08日(火)

 6月25日付けの僕の日記の記述について、次のようなメールをもらった。

  > Webページ見せていただきました。
  > ひとつ気になったことがあります。
  >
  > 「アムネスティ」に「クジラ」問題で違和感を持っている....
  >
  > という記述がありましたが、アムネスティは環境保護活動はしていない
  > と思います。
  > アムネスティの運動はあくまでも、不法に逮捕された人々の釈放要請を
  > 中心とする人権運動ではなかったでしょうか。
  > グリーンピースなどの環境保護団体と混同して勘違いされていませんか。
  >
  > もし私が知らないだけだったらすみません。


 お恥ずかしい。これは僕の勘違いです。訂正します。
 そうすると結局、僕はアムネスティに対して、今でも違和感をもっていると言えるのだろうか、それとも「大いなる勘違い」がとけた今、違和感は完全に解消したと言うべきなのか、何だか自分でもよくわからない。
 少なくともグリーンピースに対して、違和感をもっていることだけは確かだね。でもロシアの放射性廃棄物の海洋投棄の現場をいち早く発見、抗議行動を起こしたあの機動力には感心するね。
              


 今日は Press Room というサイトを訪問して、「神戸酒鬼薔薇聖斗事件にみる情報流通の歪み」というコラムを読んだ。まともな言語能力が欠如しているくせに、連日、あちこちの掲示板に低劣な書き込みをしている、逮捕当日の須磨警察署前のくそガキどもと変わらない連中が、「表現の自由」なんて、どこで聞き憶えたんだか知らないけど、バカの一つ憶えみたいに大合唱しているなかで、これは久しぶりにまともな意見だね。日本じゃ「表現の自由」なんて筒井康隆にしか認められてないんだぞ。


1997年07月09日(水)

 今日発売の「FOCUS」に『FOCUS1 編集長取材メモ 「14歳少年」禁じられた写真の呪縛 本誌が問題写真の掲載を決断するまでの全経過と対応』と『FOCUS2 特別寄稿 灰谷健次郎 「フォーカス」が犯した罪について』が並んで載っている。編集長の歯切れの悪いもの言いに対し、灰谷の方が論理に一貫性があるね。と言っても僕は灰谷はもちろん趣味じゃないけど。
               


 斉藤貴男の「カルト資本主義」(文藝春秋)をようやく読み終わった。
 「本書は、バブル崩壊以降、忽然として姿をあらわし、猖獗をきわめるオカルティズムと日本の企業社会との関係を歴史的な考察、取材をもとに浮き彫りにしたノンフィクションである。なぜ、大衆はオカルティズムに魅かれるのか? 終末思想を説く人々の本当の目的は何か? 誰が誰を支配しようとしているのか?」
 是非とも多くの人たちに読んでもらいたいね。「船井幸雄」とか、最近、胡散臭い奴らがのさばり過ぎてる、と思っていたけど、今まで知らなかった背景とかがいろいろとわかってきて、実に勉強になる。
 告白すれば、もともとUFOとかオカルトとかの話が嫌いだった僕でさえ、まだそれほど話題になる前の頃だったけど、偶然、春山茂雄の「脳内革命」(サンマーク出版)を読んで、これはなかなか面白い、と思い、人に薦めたりもした。さすがに超ベストセラーになる頃には、何かおかしい、と気づき始め、「脳内革命2」を読んだときには、その荒唐無稽に完全に呆れ返ったけどね。
 僕もとんだ間抜けだったね。
 〈岸森勇二の「世界を語ろう」〉のなかの〈『脳内革命』は脳無い革命?〉が僕と同じような体験を綴っていて面白い。


1997年07月10日(木)

 事務所移転日。と言っても同じ建物内でフロアを6階から7階に変わるだけだけど。
             


 今日は「週刊文春」と「週刊新潮」の発売日。忙しいなかで何とか読んだ。
 「週刊文春」今週の特集『「フォーカス」だけが悪いというのか 本誌が掴んで書かなかった全情報 頭部第一発見者を"容疑者扱い"した大新聞』は納得だね。取材に名を借りたマスコミの暴力について、鋭く批判している。僕もあながち人ごとではないね。
 「週刊新潮」の『特集 神戸男児惨殺容疑者「少年写真」騒動 人権大合唱で圧殺されたこれだけの「民衆の声」』には恐れ入った。「週刊新潮」のいう「民衆」って「犯人の同級生の父」とか「元中学教師」とか「雑誌編集者」とかはともかくとして、「谷沢永一」とか「加藤芳郎」とか「柴田二郎」とか「三遊亭円楽」とか「井尻千男」とか「西部邁」とか「佐藤欣子」とか「黒鉄ヒロシ」とか「デーブ・スペクター」とか「大下栄治」とか「福田和也」とか「竹田真砂子」とか「森本哲郎」とか「大橋幸」とか「櫻井よしこ」とか「川崎磯信」とか「渡辺淳一」とか「屋山太郎」とか「塩田丸男」とかのことなのかい? 今週のお笑い大賞は「週刊新潮」で決まりだね。
  

つづきはこちら

to Homepage


Also Sprach Mkimpo Kid に対する
ご意見・ご感想・ご質問
情報等はこちらまで。