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ムキンポの鼻☆スペリオール

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2009年11月号

連載第64回

ゴーゴー・パレスティナ 2009



 10月1日(木)から10日(土)まで駆け足でヨルダン川西岸のパレスティナ自治区をまわってきた。5月にガザに入ろうとしたときは、国境手前でエジプト警察につかまってしまい、6時間あまり拘束され、目的をまったく果たせないまま帰国するという情けない仕儀となったのだが、今回はそれなりに目的を果たせたのではないかと思う。2日(金)、空路、アンマンに入り、そのまま市街には寄らず、一路、アレンビー橋を越えて、イェルサレムへと向かった。イェルサレムには数時間滞在しただけで、その日の夜にはタイベ村へと至った。3日(土)から4日(日)にかけて開かれる Taybeh Oktoberfest に参加するためである。タイベ村はクリスチャンの村であり、パレスティナ唯一の地ビール Taybeh Beer を生産していることでも知られている。パレスティナといえばインティファーダとか自爆攻撃とか分離壁とか催涙ガスとかチェックポイントとか何やら緊張したものを期待するだろうが、オクトーバーフェストの期間中、僕はそういう感覚をほとんど持たなかった。昼から生ビールを飲んだくれてたというのが実情である。日本から10人で乗り込んだのだが、オリーヴたこ焼きの実演販売をしたり、日本舞踊や空手のデモンストレーションを披露したりして、和気藹々と祭りを楽しんだ。タイベ村には3泊したのだが、その合間にイェリコや死海(写真)にも脚を伸ばした。紛争地に来てる筈なのに、こんなにのんびりしてていいのだろうか。パレスティナに来た、という実感がまるでないまま、タイベ村での3日間は平和裡に過ぎた。


 その後、ヘブロン→ベツレヘム→イェルサレムとまわったのだが、タイベ村について書きすぎてしまい、それらについて書く紙幅がない。ヘブロンでは差別と迫害というようなものを僕も身近に感じることとなったということだけ記しておく。8日の朝、他の日本人たちと別れ、午後、1人アンマンへと向かった。本隊はその後、ラマッラやビリン村、ゴラン高原等にもまわったらしい。ビリン村の金曜デモでは催涙ガスも経験したとのこと。


 16日(金)、イェルサレムで買った「I LOVE ISRAEL」のTシャツを着て、<パレスティナに献花を! 10月16日の声>に参加した。2001年9月から僕はこの行動に関わっている。毎月第3金曜日にイスラエル大使館の前に立って、それぞれ個人の思うことをアピールするのだ。「イスラエルになんて行ったら、きっと気分が悪くなって、息を吸うのもいやになってしまうかと思ってたが、行ってみたら、イスラエル人も一見ごく普通の人たちだった」というようなことを喋った気がする。一見普通の人たちが惨酷なことをしてしまう怖さ、というようなことを、日本における「在特会」の動きなどもイメージしながらつづけて喋りたかったのだが、いつもながらうまく喋れない。
 「ムキンポの鼻」の連載は今回で終了する。5年あまりにわたり、ご愛読ありがとう。See You Again !



2009年10月1日(木)〜10日(土)
ゴーゴー・パレスティナ 2009
Go Go Palestina 2009

2009年10月16日(金)
<パレスティナに献花を!10月16日の声>
<Flowers for Palestine ! Vox Oct. 16>

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