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ムキンポの鼻☆スペリオール

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2008年9月号

連載第50回

Yasukunix 2008


 1人の熱烈なるヤスクニ・ファンとして2001年から毎年8月15日に靖国神社に通い続けているわけだが、今年の参拝者は15万2千人、2006年が25万8千人で、2007年が16万5千人というから、靖国神社の人気も2006年をピークに急激に落ち込んできてると言えるのではないか。総じて大手メディアは過去や現在の戦争よりも「平和の祭典」が重要みたいだし、実際、神社の内と外とで僕が感じた体感としても、なんだかバカに静かになったな、という印象を受けた。今年前半の映画『靖国 YASUKUNI』をめぐる騒動は何だったんだろう。産経新聞は『靖国が「冬の時代」を迎えていることを実感した』とまで書いている。


 朝8時半に法政大学正門前出発の反戦共同行動委員会主催の反靖国デモを「観光」に行った関係で、例年より靖国神社に着いた時間が早かったせいか、境内にはフォトジェニクな光景が予想外に少なく、写真は軍装したコスプレおじさんたちと派手な幟を立てた右翼集団とが神門の手前で擦れ違うところだが、ようやくこのような光景を見つけて撮影した。


 昼12時、今年は画期的な行動があった。11時50分に法政大学正門前を出発して12時直前に靖国通りに突入し、12時ちょうどに靖国神社の中心とは言えないがそのエッジ部分で「靖国解体!」を叫ぶ50人ほどのデモを敢行したのだ。このとき登場した「天皇のうんち」と書かれた赤い旗も注目を集めた。


 西神田公園で撮ったのだけど、このキツネ少女、誰だろう。一ツ橋画廊のヤスクニ美術展で見た富山妙子の絵に確かこんなのあったような。というか、一ツ橋画廊で富山妙子の絵を見た瞬間、あれ、これ、どこかで見たことある、と思ったのだけど、どこだったか。大浦信行『遠近を抱えて』だったか、と思って、ハードディスクに保存してあるそれらの画像を眺めてみたけど、それらしいのは見当たらなかった。なぜだかとても懐かしい気がした。


 2時半からは西神田公園出発で『〈戦争の記憶〉を問い続けよう! 8.15 反「靖国」行動』である。天皇のパペットや「靖国神社は終了しました」と書かれた巨大な幟、バルーンに吊された「靖国解体」の垂れ幕、等々、楽しいガジェットもいろいろ登場したが、世相を反映してか右翼の側にあまり盛り上がりを感じなかった。
 例年、8月15日が終わると、夏の終わりを感じ、なんだか急に寂しくなる。



2008年8月15日(金)
Yasukunix 2008

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