Rooftop
ムキンポの鼻☆スペリオール
2005年3月号
連載第8回
日本全国を大久保・百人町のように無国籍化しよう!
2月2日(水)、NAKED LOFTで『Wattanの秘境探訪』 vol.1が開催された。第一部は渡邉修孝さんと郡山総一郎さんとのトーク、第二部は僕の司会で難民問題をやった。かつて、短い期間、日本語教師をした経験はあったが、こういった場所で話をするのは初めての体験である。相当あがっちゃったね。第一部「人質」トークが無事終わり、カトケン(東長崎機関)のバグパイプス名演奏と休憩時間とをはさんで、第二部が始まった。自分の司会で話を振っておきながら、頭が真っ白になってしまい、その相手の話をまるで聴いてなかったのだから、相当困った司会者だが、話の継ぎようがなくなり、進行に行き詰まって、前後の脈絡なく自分の思ってることを数分間勝手に喋らせてもらった。そうしたらなんだか少し気持ちが落ち着いて、その後は、人の話も比較的落ち着いて聴けるようになった。 ――僕は新宿で生まれ新宿で育った人間だが、NAKED LOFTのあるこのあたりの街の雰囲気が好きだ。ハングル文字の看板が溢れ、何語だかわからない奇妙奇天烈な外国語が通りを行き交う人びとの間で語られている。今日はゲストとして、去年の夏、72日間にわたり、青山の国連大学前で座り込みをつづけたクルド人難民2家族からデニズ・ドーガンさんに来ていただいたが、僕が彼らの支援に関わっているのは、何も彼らが「可哀想な人たち」だからではない。僕は日本全国を百人町や大久保や歌舞伎町のような自由で無国籍な街にしたいのだ。土人酋長制粉砕!犬鍋革命成就! 実際には最後の言葉までは言わなかったが、このとき僕のイメージにあったのは、いっときの国連大学前「解放区」の記憶であり、映画『スワロウテイル』の情景だった。
2月13日(日)、夜、ドーガン邸を初めて訪ねた。彼らとはすでに半年以上の交流があるが、僕が2家族の私邸を訪ねたのはこの夜が初めてである。 エルダル・ドーガンさんはかつて牛久(茨城県)の入管施設に長期にわたり収容されていたことがある。ペットボトルの中味はそのときの飲み水である。雑巾みたいな茶色っぽい布きれは、白いタオルをその水に浸しておいたところ、このような色に変色してしまったのである。
2月17日(木)、東京地裁425号法廷でイラン人難民ジャマルさん9.22不当逮捕「傷害」容疑事件裁判第3回公判が開かれた。この日はジャマルさんへの被告人質問があった。「水を1杯飲みたい」は(法廷戦術的には)余計だったような気がしたが、検察官のつまらぬツッコミに対し、果敢に1人立ち向かう姿はなかなか立派だったよ! |
NAKED LOFT Talk 『Wattanの秘境探訪』 vol.1 |
Kurdish 2 Families Struggle in Japan & in Turkey |
Free Jamal Saberi Now ! |